通信制高校のサポート校とは何?その役割と注意点を解説します
2021/10/16
通信制高校のサポート校は学校ではないと理解してください。
サポート校は通信制高校の生徒のための塾と考えてください。
サポート校には様々なメリットがあります。
しかしまた多くの注意すべき点もあります。
それらを具体的に分かりやすく解説していきます。
1. 通信制高校とサポート校の違い
サポート校は通信制高校と連携しています。
分かりやすく言いかえると、こういうことです。
サポート校は通信制高校から委託を受けて生徒の学習支援を行っているということです。
では、もっと具体的にその役割を見ていきましょう。
1.1 通信制高校の役割
通信制高校とは高等学校の通信制課程の俗称です。
ただ、分かりやすく通信制高校と呼んでいるだけです。
(例えば鹿島学園高校には全日制課程と通信制課程の両方があります)
通信制高校の生徒は、本来は通信教育だけで学びます。
以下の3つの条件を満たせば高校を卒業できます。
高校に3年間以上在籍する
74単位を修得する
特別活動に30時間以上参加する
最も上々な「単位の修得」を達成するには、次の3つの条件を満たす必要があります。
レポート提出(添削指導)
スクーリング(面接指導)に出席する
テスト(単位認定試験)に合格する
通信制高校の役割は、こうした単位修得の機会を提供することです。
1.2 サポート校の役割
サポート校は、学校ではありません。
サポート校は、塾・予備校のような民間の教育機関です。
通信制高校から委託を受けて、通信制高校の生徒をサポート(支援)します。
支援の内容は次の3つになります。
学習の支援
進路の支援
精神面の支援
1.2.1 学習の支援
サポート校の本質は塾ですので
学習の支援が根幹となる役割です。
最も大きいのはレポート作成の支援です。
レポートは教科書ワークのようなプリントです。
国語・社会科などは自分ひとりで進められる場合が多いです。
しかし、数学や物理のような計算問題を伴う科目は、解き方を教えてもらう必要性が高いです。
1.2.2 進路の支援
文部科学省の資料によれば、通信制高校の約4割の生徒が進路が未決定のまま卒業しています。
いくら単位を修得して高卒資格を取得しても、次の(進学であれ就職であれ)進路が決まらなければ自立できません。
サポート校では進路について以下のような支援をします。
進路セミナーを開催
オープンキャンパスの案内
面接、論文の個別指導
就職の支援
大学・専門学校の奨学金の相談
こうした支援がなければ、進路未決定のまま卒業する生徒は更に多くなることでしょう。
1.2.3 精神面の支援
実際の運営では、精神面の支援が一番比重が高いと言っていいでしょう。
それは不登校を経験し、人間関係で悩んできた生徒が多いからです。
実際、サポート校のスタッフは、生徒の悩みの相談に乗ることが多いです。
生徒間の人間関係にも気を使います。
そしてイベントを開催して友だち作りの機会を設けたりします。
精神面が安定してこそ、学習も進路も前に進めることが可能になります。
ですから、サポート校の本質は塾でありながら、実態は心のケアをするフリースクールと言うケースが多いです。
2. サポート校で注意すべき点
通信制高校に在籍したら、実際に過ごすのは高校ではなくサポート校です。
だから3年間の過ごしやすさはサポート校選びにかかっている、と言えます。
そこまで大切なサポート校選び。
どのような点を比較すべきか、それを以下で解説します。
2.1 費用
通信制高校とは別にサポート校の費用がかかるのが普通です。
それが明確に説明されない場合は、要注意です。
説明会で、必ず費用の見積書をもらうようにしましょう。
費用に対応した指導内容も確認しましょう。
週1コース/週2コース/週5コースのように分かれている場合があります。
オプションと称して「後で別途費用が請求されないか」も確認しましょう。
サポート校は塾と考えて比較しましょう。
1対1の家庭教師スタイルが最も高く、多人数の一斉指導ならば安くなります。
表面に出てくる金額だけでなく、中身で比較することが大切です。
2.2 雰囲気
費用以外で一番大切なのは雰囲気です。
通信制高校を検討するお子さんは、多くは人間関係で悩んできたからです。
だから、なによりも教室の雰囲気が合っていることが大切です。
合う合わないは、お子さんによって異なります。
思いっきり賑やかで、派手な雰囲気を好むお子さんもいるでしょう。
しかし、人間関係で悩んできたお子さんには落ち着いた雰囲気が合っている場合が多いです。
だから教室のルールについてもチェックしましょう。
髪色やピアスについて無制限に許しているところもあれば、一定の制限をしているサポート校もあります。
どちらが良い悪いではありません。
あなたのお子さまに合っているかどうか、それが判断基準であるべきです。
だから教室見学をしたお子さまの印象を大切にしてください。
2.3 面倒見の良さ
サポート校=塾の良さは、面倒見の良さで決まると言えます。
面倒見とは、システムとスタッフの人柄です。
2.3.1 システムとしての面倒見の良さ
ただ単に勉強を教えるだけのところもあります。
しかし、生徒にとって快適な教室であるためには様々な工夫が必要です。
以下のようなサービスがあるか質問して確かめましょう。
友だち作りのイベント
進学セミナーなど進路のサポート
避難訓練など安全面
三者面談など家庭へのサポート
英検、漢検など資格試験のサポート
2.3.2 スタッフの人柄
友だち関係以外では先生(スタッフ)の人柄=面倒見の良さが一番大切です。
教室見学に行ったら、どういうスタッフがいるか必ず確認しましょう。
若い学生のアルバイト、お兄さん・お姉さん的なスタッフ、先生の経験者など様々です。
その一人ひとりが、どれだけ親身になって面倒を見てくれるか、それが教室での過ごしやすさを決めるといっても過言ではありません。
教室見学の際に、スタッフの対応をしっかり見ておきましょう。
通信制高校・サポート校に通う理由は、人それぞれです。
「自分に合う」ところを探すのが大切です。
サポート校は学校ではありません。
通信制高校の生徒のための塾のような存在の民間教育施設です。
サポート校は学習指導だけでなく進路指導や精神面のサポートをします。
次の3点に注意してサポート校選びをしましょう。
費用
雰囲気
面倒見の良さ
サポート校の良し悪しはお子さまとの相性で決まるものです。
必ず幾つかのサポート校を見学して比較しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
サポート校は通信制高校の生徒のための塾と考えてください。
サポート校には様々なメリットがあります。
しかしまた多くの注意すべき点もあります。
それらを具体的に分かりやすく解説していきます。
1. 通信制高校とサポート校の違い
サポート校は通信制高校と連携しています。
分かりやすく言いかえると、こういうことです。
サポート校は通信制高校から委託を受けて生徒の学習支援を行っているということです。
では、もっと具体的にその役割を見ていきましょう。
1.1 通信制高校の役割
通信制高校とは高等学校の通信制課程の俗称です。
ただ、分かりやすく通信制高校と呼んでいるだけです。
(例えば鹿島学園高校には全日制課程と通信制課程の両方があります)
通信制高校の生徒は、本来は通信教育だけで学びます。
以下の3つの条件を満たせば高校を卒業できます。
高校に3年間以上在籍する
74単位を修得する
特別活動に30時間以上参加する
最も上々な「単位の修得」を達成するには、次の3つの条件を満たす必要があります。
レポート提出(添削指導)
スクーリング(面接指導)に出席する
テスト(単位認定試験)に合格する
通信制高校の役割は、こうした単位修得の機会を提供することです。
1.2 サポート校の役割
サポート校は、学校ではありません。
サポート校は、塾・予備校のような民間の教育機関です。
通信制高校から委託を受けて、通信制高校の生徒をサポート(支援)します。
支援の内容は次の3つになります。
学習の支援
進路の支援
精神面の支援
1.2.1 学習の支援
サポート校の本質は塾ですので
学習の支援が根幹となる役割です。
最も大きいのはレポート作成の支援です。
レポートは教科書ワークのようなプリントです。
国語・社会科などは自分ひとりで進められる場合が多いです。
しかし、数学や物理のような計算問題を伴う科目は、解き方を教えてもらう必要性が高いです。
1.2.2 進路の支援
文部科学省の資料によれば、通信制高校の約4割の生徒が進路が未決定のまま卒業しています。
いくら単位を修得して高卒資格を取得しても、次の(進学であれ就職であれ)進路が決まらなければ自立できません。
サポート校では進路について以下のような支援をします。
進路セミナーを開催
オープンキャンパスの案内
面接、論文の個別指導
就職の支援
大学・専門学校の奨学金の相談
こうした支援がなければ、進路未決定のまま卒業する生徒は更に多くなることでしょう。
1.2.3 精神面の支援
実際の運営では、精神面の支援が一番比重が高いと言っていいでしょう。
それは不登校を経験し、人間関係で悩んできた生徒が多いからです。
実際、サポート校のスタッフは、生徒の悩みの相談に乗ることが多いです。
生徒間の人間関係にも気を使います。
そしてイベントを開催して友だち作りの機会を設けたりします。
精神面が安定してこそ、学習も進路も前に進めることが可能になります。
ですから、サポート校の本質は塾でありながら、実態は心のケアをするフリースクールと言うケースが多いです。
2. サポート校で注意すべき点
通信制高校に在籍したら、実際に過ごすのは高校ではなくサポート校です。
だから3年間の過ごしやすさはサポート校選びにかかっている、と言えます。
そこまで大切なサポート校選び。
どのような点を比較すべきか、それを以下で解説します。
2.1 費用
通信制高校とは別にサポート校の費用がかかるのが普通です。
それが明確に説明されない場合は、要注意です。
説明会で、必ず費用の見積書をもらうようにしましょう。
費用に対応した指導内容も確認しましょう。
週1コース/週2コース/週5コースのように分かれている場合があります。
オプションと称して「後で別途費用が請求されないか」も確認しましょう。
サポート校は塾と考えて比較しましょう。
1対1の家庭教師スタイルが最も高く、多人数の一斉指導ならば安くなります。
表面に出てくる金額だけでなく、中身で比較することが大切です。
2.2 雰囲気
費用以外で一番大切なのは雰囲気です。
通信制高校を検討するお子さんは、多くは人間関係で悩んできたからです。
だから、なによりも教室の雰囲気が合っていることが大切です。
合う合わないは、お子さんによって異なります。
思いっきり賑やかで、派手な雰囲気を好むお子さんもいるでしょう。
しかし、人間関係で悩んできたお子さんには落ち着いた雰囲気が合っている場合が多いです。
だから教室のルールについてもチェックしましょう。
髪色やピアスについて無制限に許しているところもあれば、一定の制限をしているサポート校もあります。
どちらが良い悪いではありません。
あなたのお子さまに合っているかどうか、それが判断基準であるべきです。
だから教室見学をしたお子さまの印象を大切にしてください。
2.3 面倒見の良さ
サポート校=塾の良さは、面倒見の良さで決まると言えます。
面倒見とは、システムとスタッフの人柄です。
2.3.1 システムとしての面倒見の良さ
ただ単に勉強を教えるだけのところもあります。
しかし、生徒にとって快適な教室であるためには様々な工夫が必要です。
以下のようなサービスがあるか質問して確かめましょう。
友だち作りのイベント
進学セミナーなど進路のサポート
避難訓練など安全面
三者面談など家庭へのサポート
英検、漢検など資格試験のサポート
2.3.2 スタッフの人柄
友だち関係以外では先生(スタッフ)の人柄=面倒見の良さが一番大切です。
教室見学に行ったら、どういうスタッフがいるか必ず確認しましょう。
若い学生のアルバイト、お兄さん・お姉さん的なスタッフ、先生の経験者など様々です。
その一人ひとりが、どれだけ親身になって面倒を見てくれるか、それが教室での過ごしやすさを決めるといっても過言ではありません。
教室見学の際に、スタッフの対応をしっかり見ておきましょう。
通信制高校・サポート校に通う理由は、人それぞれです。
「自分に合う」ところを探すのが大切です。
ー コラム ー
通信制高校の生徒数は、毎年1万人も増えています。
2021年10月時点で、生徒総数は約22万人。
なんと、高校生の「15人に1人が通信制」に在籍しています!
なぜ、これほど生徒数が増えてきたのでしょうか。
色々な要因がありますが、やはり「サポート校」の存在が一番の理由でしょう。
サポート校が無い時代、西暦2000年くらいまで、は通信制高校の卒業率は2.3割と言われていました。
しかし私立の通信制高校で「サポート校にも在籍すると卒業率は約9割」です。
そこで通信制高校の人気が高まり、サポート校が増え、また生徒が増える、という好循環になっています。
サポート校は、みなそれぞれしっかり面倒を見てくれます。
しかし、これだけ増えてくると、そうでもないところもあるかもしれません。
ホームページやパンフレットだけを鵜呑みにしないで、実際にいくつか見学して「自分に合っている」サポート校を選びましょう。
サポート校は学校ではありません。
通信制高校の生徒のための塾のような存在の民間教育施設です。
サポート校は学習指導だけでなく進路指導や精神面のサポートをします。
次の3点に注意してサポート校選びをしましょう。
費用
雰囲気
面倒見の良さ
サポート校の良し悪しはお子さまとの相性で決まるものです。
必ず幾つかのサポート校を見学して比較しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ワイズアカデミー
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