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通信制高校で必須のスクーリング(面接指導)の3つの運営方式、それぞれの特徴は?

2021/07/27

通信制高校のスクーリングとは卒業する絶対条件のひとつです。
スクーリングは、あくまでも通称です。
文部科学省の正式名称は面接指導といいます。

スクーリングの必要時間数は指導要領で定められています。
しかし運用方法が通信制高校によって異なります。

1. スクーリング(面接指導)とは

1.1 単位修得のひとつの条件

通信制高校での教育方法、つまり単位修得の方法は高等学校学習指導要領で以下の通り定められています。

ーーー
通信制の課程の教育方法は添削指導,面接指導,放送その他の多様なメディアを利用した指導,
試験によることになっている。
ーーー

専門用語の通称についてご説明します。

添削指導はレポート提出と呼ばれます。
面接指導はスクーリングと呼ばれます。
試験はテストですね。

砕けた言い方をすれば、こうなります。
単位をとるには
レポートを提出して面接指導を受けてテストに合格する
ということです。

つまり面接指導は、単位を修得する絶対条件のひとつということです。

1.2 科目別の必要時間数

やはり高等学校学習指導要領で、面接指導について以下のように定められいます。

1単位時間は50分として計算する。
各教科・科目について標準の面接指導の単位時間を定める。

代表的な科目の単位時間数は、以下の通りです。

国語、地理歴史、公民・数学 1時間
理科に属する科目 4時間
体育 5時間
芸術及び外国語に属する科目 4時間

上の数字は「1単位に必要な面接指導の時間」です。
実際には、保健は1単位の科目ですが、大半は2単位の科目です。
だから2単位を基準にすると、実際に必要な面接指導の時間は以下のようになります。

国語・数学・社会は2時間
理科・英語   は8時間
体育      は10時間

これらの時間数の違いの根拠は、こういうことです。

国語・数学・社会は座学中心で、つまり少ない授業時間で良い。
理科や英語は、実験や実践が必要なぶんだけ時間を多く要する。
体育は、体育実技が中心のために最も多く時間を要する。

1.3 年間で必要な総時間数

通信制高校を卒業するには3年間で74単位を修得する必要があります。
つまり、1年間で平均25単位くらいとなります。

概算ですが、仮に1単位に平均3時間の面接指導が必要とします。
すると年間で約75時間の面接指導が必要となります。
(25単位 x 3時間/単位)

ということは、もし1日に4時間の授業を受けるとすると
1年間に20日くらい通学する必要があるということになります。

2. スクーリング(面接指導)の運用方法

面接指導とは要するに学校の授業ですので、以下の条件で運用される必要があります。

授業は高校の教員免許を持った教員が行う
授業は学校法人の建物で行われる
授業は規定の時間数以上行われる
ただし時間数はNHK高校講座の視聴などにより減らすことが可能です。
また運用方法は主に3つの方法に分かれます。

これらについて次の項でご説明します。

2.1 NHK高校講座の視聴などで時間を減らす

学習指導要領に「ラジオ・テレビ放送その他の多様なメディアを利用して行う学習による面接指導時間数の免除」という規定があります。

面接指導時間数について、NHK高校講座の視聴などにより時間数を減らせる、ということです。
それは高等学校学習指導要領で以下のように定められいます。

ーーー
各教科・科目の面接指導の時間数又は特別活動の時間数のうち,各メディアごとにそれぞれ10分の6以内の時間数を免除することができる。ただし,免除する時間数は,合わせて10分の8※を超えることができない。
ーーー
※「10分の8」が適用されるのは、病気で入院療養とか仕事で長期の海外滞在など、よほどの事情の場合のみ認められます。

6割が免除というのは大きいです。
例えば体育2単位には面接指導が10時間必要だったのが4時間で済むということです。

そして年間20程度必要だった登校日数を半分以下にできるのです。

減免されるには、もちろん、ただNHK口座を視聴したという主張だけでは不十分です。
視聴票とよばれる「報告課題を提出」することが必要です。

なお、多様なメディアは、ほとんどの場合、NHK高校講座が使われています。

NHK高校講座は、ホームページですべて視聴が出来ます。

2.2 スクーリングの3つの運用形式

スクーリングには次の3つの運用形式があります。

毎週通学する方式
集中方式
合宿方式

2.2.1 毎週通学する方式

公立の通信制高校によくある方式です。
例えば毎週土曜が登校日、のようにパターンが決まっています。

規律正しく通学できる人には問題無いでしょう。
ただ多くの不登校経験者には向いていない場合も多いと言えます。

2.2.2 集中方式

年間およそ10日間のスクーリングを夏休みや冬休みなどに集中して大会場で実施する方式です。
夏休みや冬休みは、大学や専門学校が長期休校に入るので、大会場を確保しやすいからです。

生徒が自分のアルバイト他の活動とスケジュールを調整しやすいメリットがあります。
生徒数が大変多い鹿島学園高等学校などで運用されている方式です。

私は鹿島学園高等学校と連携したサポート校を運営しています。
この集中方式のスクーリングは評判が良く、おすすめです。

2.2.3 合宿方式

NHK高校講座の視聴などで時間数を減らしても、スクーリングは日中に分散すれば10日程度かかります。
それを朝から晩まで詰め込んで3泊4日程度の合宿形式にした運営方式です。

正社員で働いていてスクーリング日数を最低限にしたい人には向いています。
ただし交通費や合宿費が高い場合もありますので事前に確認したほうが良いでしょう。
また知らない人と一緒に宿泊することに抵抗がある人は避けたほうが良いでしょう。

3. まとめ

スクーリングとは規定時間の面接指導(授業)を受けること。
通信制高校で単位を修得する必須条件の一つです。

およそ年間20日間の登校が必要です。
NHK高校講座の視聴により半分以下に減らすことが可能です。

毎週通う方式は規則正しく通いたい人向きです。
しかし不登校経験者には不向きです。

夏休みや冬休みに実施する集中方式があります。
アルバイト他の活動と両立しやすくおすすめです。

年に一度、3泊4日程度に凝縮した合宿形式があります。
休みが取りにくい社会人向きです。
知らない人と一緒の宿泊に抵抗ある人は避けたほうが良いでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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