不登校の高校生に親はどう対応したら良いか?

2021/07/06

不登校の高校生に親はどう対応したら良いのでしょうか。
まず、中学生の不登校よりも事態が急展開すると考えてください。

なぜなら高校では留年があるからです。
そして留年したら殆どの場合は退学してしまいます。

退学となると、ことは重大です。
親はどんな対応をすればいいのか、中学の不登校と比較しながら考えてみましょう。

1. 高校生の不登校は退学につながりやすい

中学生は不登校でも基本的に退学になりません。
しかし高校生の不登校は退学に直結します。
それは以下のような理由からです。

全日制高校では授業に約7割は出席する必要がある
テストが良くても欠席が多いと赤点になる
1科目でも赤点になると留年して学年をやり直す必要がある
高校生は中学生と違って本当に留年します。
留年するとは、学年下だった後輩と同級生になるということです。

これは多感な高校生には耐え難いことです。
だから、留年を宣告されると大抵の高校生は退学を選ぶというわけです。

2. 不登校の高校生への、親の対応方法

これまで述べてきたように、高校生の不登校は退学に直結します。
だからと言って登校を強制することは避けるようにしましょう。

本人が一番の悩みを抱えており、強制されても反発するだけです。
そして義務教育でない高校に通うか否かは本人の意思が尊重されるべきだからです。

では、どうするべきか?
対等な立場で相談にのることが一番です。

感情に走ったり、子どもに命令することは厳禁です。
それは事態を悪化させるだけです。

なぜならば、高校生という年齢は「親から独立したい」という気持ちが一番強くなる時期だからです。
それは人間として成長していく自然の流れであり、親としては歓迎すべき好ましい事態のはずなのです。

全日制高校を卒業するのが人生のすべてではありません。
以下のような選択肢もあります。

通信制高校で高校卒業資格をとる
高認(高等学校卒業程度認定試験)に合格し、大学・専門学校に進学する
働く(就職する、起業する、その他)
他にも色々な選択肢が考えられます。
親としては色々な情報を集め、お子様の相談にのってあげられるよう準備をしておきましょう。

特に通信制高校は16人に1人の高校生が通う有力な選択肢です。

3. 中学生の不登校は進路の悩みが少ない

中学生が不登校になった場合は、あわてることはありません。
高校生の不登校に比べると、進路の悩みが少ないといえます。
それは中学生の不登校は、進路について以下の特徴があるからです。

不登校でも卒業できる
私立中学校から公立中学校に転校できる
通信制高校に進学しやすい
では、それぞれについて詳しく見てみましょう。

3. 1 不登校でも卒業できる

中学校で留年することはまず無いと言っていいでしょう。
特別な事情で自ら留年を希望でもしない限り、通常は留年はありません。

留年の正式な呼び名は原級留置といいます。
しかし留置場を想像させることもあり、この言葉はまず使われません。

日本では学年制で、同じ年齢の生徒を管理することが基本に予定が組まれています。
つまり学齢の違う子が一緒に学ぶことは前提としていない、ということです。
ですから、公立中学校では全欠席でも卒業するのはよくあることです。

3.2 私立中学校から公立中学校に転校できる

偏差値上位の私立中学では留年扱いする場合が実際にあります。
ですが実際には留年が宣告されると公立中学に転校するのが普通です。

なぜなら小中学校はそもそも公立校で学ぶことが基本になっているからです。
そして公立中学校に転校するのに試験はないのです。
だから不登校が原因で私立中学校を退学しても、公立の中学校に簡単に転校できます。

3.3 通信制高校に進学しやすい

不登校の中学生も通信制高校には進学しやすいです。
通信制高校の入学試験は面接(と作文)だけの場合が殆どだからです。
特別な事情が不合格も有りえますが、それは例外的です。

また一つの特徴として、通信制高校では基本的に出席日数を問われないということがあります。
だから中学生で不登校だった生徒も安心して通信制高校に進学できる場合が多いです。

4. まとめ

中学生と違い、高校生は不登校になると留年の恐れがあります。
留年して下級生と学ぶのはイヤですから、不登校は留年に直結します。
だから不登校になったら、どんな選択肢があるかを調べておきましょう。

高校生のお子さんに叱ったり命令したりは禁物です。
親から独立して自分で解決したいお子さんの自立心を尊重してあげてください。
そして、いつでも相談にのれるように準備をしておきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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