不登校の中学生が勉強を進める方法は?

2021/06/06

中学生が不登校になったとき、保護者としては様々な心配が頭に浮かんできて、気が休まらなくなることでしょう。
まず第一に頭に浮かぶのは勉強のこと。
どんどん勉強が遅れてついていけなくなるのでは…と言った具合に、本人以上に悩むことも多いかもしれません。

不登校になった中学生が勉強をどう進めたらいいのか。
その方法について様々な視点から考えてみましょう。

1. どういう勉強方法がいいのか
ここで親が「学校にも行かないで、せめて家で勉強でもしなさい!」のように叱ったら、逆効果しか無いケースが殆どです。
中学生のお子様は自分自身が危機感を持って悩んでいることは間違いありません。
ただ、自分でもどうしたらいいか分からないから、ゲームにすがっているだけの場合が多いと思われます。
では、具体的にどうしたらいいかをケースごとに考えてみましょう。

1.1 家庭教師をつける
1対1の家庭教師というのは、先生との相性が良く質の高い人であれば理想的です。
家庭教師は他の誰でもない生徒ひとりだけのことを考えて指導をしたり相談にのってくれます。
だから他の人は気にしなくていいし、秘密は保てるし、学習効率も最高でしょう。
ただし家庭教師は費用が一番かかる方法であることは間違いありませんので、契約前にしっかり費用をチェックしましょう。

1.2 塾で勉強を習う
塾で教わるのも有効な選択肢の一つです。
私がかつて小中学生の塾として運営していたときに実際に受け入れた経験談をお伝えします。
ある中学2年生の女子がお母さんと相談に来ました。
学校が荒れていて、授業中に一部の生徒がチョークを投げ合うような状態で、とても通学などできないというお悩み。
おとなしくて頭の良いお嬢さんです。
勉強が遅れたら嫌だから塾で習いたい、だけど他の生徒と同じ時間帯は気まずいから嫌だ、というご相談。
そこで特別対応をすることにしました。
塾の通常の授業時間帯は、小学生が午後4時から、中学生が午後7時からでした。
そこで、誰でも顔を合わせない時間帯として午後2時から午後4時をその子のために割り当ててあげたのです。
(その後、この子の友達も入り、同じ時間帯で受け入れました)
約2年間、この2名だけのために教室を早く開けました。
二人とも希望する高校に合格できて、本当に嬉しかったです。

というわけで、お近くの塾で柔軟な対応をしてくれそうなところがあれば、ご相談をされてはいかがでしょうか。
ただし滅多にないことなので経営効率は悪く、受け入れてくれる塾は限られているかもしれません。

1.3 フリースクールに通う
フリースクールは不登校の生徒を受け入れ、学習や生活指導などを行う民間教育機関です。
しかし、フリースクールは学習塾と同様に法的根拠がない、つまりどういう教育機関がフリースクールという定義がないのです。
個人宅のリビングで少人数を受け入れ、のような小規模から、数百名という大規模なものまでフリースクールとして存在します。
フリースクールのフリーという単語から、無料を想像する人もいますが、民間教育機関ですので有料です。
そして公的な補助金等は無いことから、規模が大きく設備が整っているところは費用が高い傾向があります。
具体的には私立の小中学校と変わらないレベルといえば感覚はつかめるでしょうか。
フリースクールは生徒にとっての居場所という位置づけが中心です。
学習面のサポートはフリースクールによって千差万別と考えたほうが良いでしょう。

なお、文部科学省の平成27年(2015年)の調査によると、
フリースクールの平均費用はおよそ月額3万3千円となっています。

♦そもそも、なぜ不登校になると勉強の心配が生じるのでしょうか?
それを次にまとめてみました。

2. なぜ不登校になると勉強の心配が生じるのか
不登校でも勉強への影響がなかったら、勉強の心配は不要となりますね。
しかし実際には様々な理由から(本人よりもむしろ親のほうが)悩むことになります。

2.1 学校の勉強に遅れる不安
不登校だから学校に行っていない、つまり学校の授業を受けないという状態になります。
ということは、それを補う何かの行動をしなければ、勉強の進度に遅れるのが当然ですね。

2.2 宿題をしなくなる可能性
学校に行っていた、つまり授業に出るから宿題をしていた。
しかし宿題を忘れても叱られないなら、宿題を怠けるようになるのでは、という心配も生じるでしょう。

2.3 ゲームばかりする心配
学校の宿題をしない。学校で授業を受ける機会がなくなった。
不登校で家にいるから、勉強よりも楽しいゲームのほうに手が伸びる。
…と、ここまで条件がそろうと、勉強することを期待するほうが無理、という気がしてきますね。

3. まとめ
中学生が不登校になると、勉強の遅れが心配になります。
その対処方法としては次のような手段が考えられます。

家庭教師をつける
塾で勉強を習う
フリースクールに通う
費用や柔軟性など、それぞれ一長一短がありますので、慎重に比較検討することが必要です。

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